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Government watchdog to investigate selection of new FBI headquarters site
 NBC News, December 1, 2023

➡米連邦捜査局(FBI)の新本部建設地としてメリーランド州が選ばれたが、その選定プロセスについて、同じく建設地候補として名乗りを上げていたヴァージニア州選出の議員やFBI幹部から批判が出ているため、調査を開始することになった模様である。
➡一般調達局(GSA=General Services Administration)のロバート・エリクソン(Robert Erickson)監察官代理は、ヴァージニア州選出のマーク・ワーナー(Mark Warner)上院議員に宛てた書簡において、「我々の目的は、FBI本部の移転先選定のプロセスと手順を評価することである」と述べている。
➡ワーナー上院議員と同州選出の下院議員10名からなるグループは、FBIのクリストファー・レイ(Christopher Wray)長官が「潜在的な利害の対立」について懸念を表明したため、エリクソン監察官代理に移転先選定のプロセスについて調査するように求めていた。また、このグループは、11月15日付の書簡のなかで、移転先選定のプロセスが「政治的配慮と不正疑惑によって汚された」ことを示唆する「紛れもない証拠」があると主張した。
➡上院情報委員会の委員長を務めているワーナー氏は選定プロセスにおいて、ヴァージニア州クアンティコにあるFBIアカデミーや他の国家安全保障機関に近いという理由から同州スプリングフィールドを高く評価していた。
➡現時点で調査のスケジュールは決まっていないようだが、エリクソン監察官代理によると「直ちに」調査を開始し、報告書を発表する予定である。

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Biden sent US spy chief to India after alleged Pannun murder plot emerged: Report
 India Today, December 1, 2023

➡米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、米国を拠点とし、ニューヨーク在住のカリスタン運動のテロリスト、グルパトワント・シン・パヌン(Gurpatwant Singh Pannun)氏の暗殺計画が明るみになったことを受けて、米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ(William Burns)長官をインドに派遣した。
➡この殺害計画に関して、米国当局はインド政府高官が指示したものと見ている。
➡『ワシントン・ポスト』紙は、バーンズ長官が8月上旬、インドを訪問し、調査分析局(RAW)のラヴィ・シンハ(Ravi Sinha)長官と会談した際、「インドは(陰謀を)調査し、その責任者に責任を取らせることが必要である。米国としては、このようなことが二度と起こらないようにしてもらいたい」と伝えたと、バイデン政権高官の話を引用して報じている。
➡パヌン氏の暗殺計画は、2023年7月下旬に明らかになったとされ、米政府高官はインド側に徹底的な調査を要求し、米印間で高官同士の協議が行なわれた。
➡米政府高官によると、バイデン大統領はG20サミットに出席するためにニューデリーを訪れた際、インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相との会談において、この問題をみずから提起したという。その際、「同様の脅威が今後も続くようなら、米印関係に潜在的な影響が及ぶ可能性がある」と語ったとのことである。
➡パヌン氏の暗殺計画は、カナダで起きたカリスタン運動のテロリスト、ハルディープ・シン・ニジャール(Hardeep Singh Nijjar)氏の殺害事件に続くものである。カナダ当局は、ニジャール氏の殺害事件をインドの工作員が関与したものと見ている。この事件をきっかけとして、カナダとインドの間では外交官の追放や通商交渉の頓挫といった外交関係の悪化につながった。
➡ただ、米印間では双方の対話が重視され、戦略的パートナーシップを維持しようと努めている節が見られる。その点で、カナダとのケースとは異なる展開を見せているようである。実際、バイデン政権は今回の件に関して慎重な姿勢で臨んでおり、インドが今後、このような活動を防止することに期待を寄せると表明した。
➡一方、インド政府も米国が提起した疑惑について、調査をすでに開始している。政府高官の関与が疑われていることについても、「懸念すべき問題」として受け止めているようである。

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 by Phil Miller
 Declassified UK, November 28, 2023

➡インドのIT企業、インフォシスの共同設立者で、インド有数の大富豪であるナラヤナ・ムルティ(Narayana Murthy)氏は、イギリスのリシ・スナク(Rishi Sunak)首相の義父である。ムルティ氏は、彼の娘であり、スナク首相の妻、アクシャタ(Akshata)夫人と同様、ITビジネスで有利な株式を保有している。
➡インフォシスの取締役会には、2023年4月までイスラエルの起業家、ウリ・レヴィーン(Uri Levine)氏が名を連ねている。この人物は、人気の交通ナビゲーション・アプリ「Waza」を開発したことで知られている。レヴィーン氏は、イスラエル陸軍のエリート部隊である「8200部隊」のベテランであり、同国の敵対勢力をスパイするサイバー戦争部門に所属していた。
➡インフォシスは、レヴィーン氏が入社する前からイスラエルで事業を展開していた。2012年には、研究開発分野で協力するための契約をイスラエルと交わしている。このため、インフォシスはイスラエルの治安機関に技術提供を行なっているとの憶測もある。
➡この契約が結ばれたとき、スナク首相の義父はインフォシスの名誉会長だった。ムルティ氏は2013年6月に取締役会長に就任したが、2014年10月に退任した。
➡インフォシスのイスラエル投資は2015年に拡大し、現地のハイテク企業「パナヤ(Panaya)」を約2億ドルで買収した。だが、ムルティ氏はこの取引に批判的だったという。
➡パナヤは2022年、研究開発担当副社長としてタル・アーノン(Tal Arnon)氏を採用した。この人物は、イスラエル軍情報機関に12年間、勤務し、8153技術部隊の通信主任を務めた。この部隊は、レヴィーン氏が所属していた8200部隊と同様、イスラエルの特殊部隊向けの技術開発を行なっている。
➡アーノン氏は、自身のSNSプロフィールに、「特殊作戦任務のための独自の通信とコンピュータシステムの開発を担当」と書いている。
➡パナヤは、インフォシスの完全子会社となっている。スナク首相の妻、アクシャタ夫人はインフォシス株を0.94%保有しており、年間約1300万ポンド相当の配当金を得ている。同夫人の父親は0.4%の株を保有している。
➡スナク首相は、自分の親族がインフォシスの株式を保有していると正式に表明していないが、そのことは広く知られている。あまり注目されていないが、スナク首相の親族はイスラエル軍情報部の退役軍人を上級職に任命したビジネスから利益を得ているのである。もしスナク首相の親族がロシアや中国の元スパイが経営するビジネスから利益を得ていたとしたら、もっと大きな反発があるかもしれない。
➡だが、イスラエルはパレスチナとシリアの一部を不法占拠しているにもかかわらず、イギリスと同盟国であるから、そのつながりが議会で政治問題として発展することはないだろう。

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CIA director in Qatar to push for expansion of Gaza-Israel hostage release deal
 UPI, November 28, 2023

➡米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ(William Burns)長官は26日、イスラエルとハマスの間での包括的な和平交渉のため、カタールを訪問した。そこでバーンズ長官は、エジプト総情報局(EGID=Egyptian General Intelligence Directorate)のアッバス・カメル(Abbas Kamel)長官とイスラエルの情報機関、モサド(Mossad)のデービッド・バルネア(David Barnea)長官と会談を行なった。
➡バーンズ長官は、ハマスとイスラエルに対して、これまで人質交渉において女性と子どもしか含まれていないので、男性と軍人を加えることを要求した。その上で、戦闘の一時停止を延長するように求めた。また、ハマスに対して、人質となっている米国人9人について即時、解放するように主張した。
➡だが、イスラエルは、人質交渉後もハマスとの戦闘を継続することを表明している。実際、ハマスはイスラエルから解放されるパレスチナ人の捕虜の数を増やせば、戦闘停止の再延長が可能との意向を示したが、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、「我々はハマスを抹殺し、ガザ地区が以前の状態に戻らないようにするために全力を尽くす」と語っている。
➡米国のスタンスは、より多くの人質の解放を促し、今後数日間でガザ地区への人道支援を可能にするために、停戦延長を受け入れるように双方に働きかけている。
➡元外交官のバーンズ長官は、中東全域に及ぶ幅広い人脈とモサド内部の人間と良好な関係を結んでいることから、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に抜擢され、現在進行中の交渉において主導的な役割を担っている。2023年11月初め、CIAのバーンズ長官はモサドのバルネア長官とカタールで会談し、カタールの協力も得ながら、人質50人の解放を実現させ、最初の停戦を仲介する重要な役割を果たした。

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Ukrainian spy chief’s wife poisoned, Kyiv says
 Politico EU, November 28, 2023

➡ウクライナ国防省情報総局(GUR)のアンドリー・ユーソフ(Andriy Yusov)広報官が明らかにしたところによると、GURのキリロ・ブダノフ(Kyrylo Budanov)長官の妻が重金属中毒のため、病院で治療を受けているとのことである。
➡ユーソフ広報官は、自由ヨーロッパ放送のインタビューのなかで「マリアナ・ブダノフ(Marianna Budanova)は、たしかに重金属中毒だった。彼女は現在、治療中で、治療自体はすでに終わりつつある」と述べた。
➡ブダノフ長官の妻が暗殺されたとの噂は、すでにいくつかのメディアによって報じられてきた。今回、ユーソフ広報官は、ブダノフ長官の妻が暗殺のターゲットとして狙われたが、それが未遂に終わったことを認めたかたちになった。
➡ブダノフ長官は以前、その妻がキエフ市長のヴィリタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)氏のアドバイザーを務めていたことから、安全確保の面から夫婦一緒にGURのオフィスで暮らしていると語っていた。ただ、ユーソフ広報官は過去に少なくとも10回、ブダノフ暗殺が試みられていると述べている。
➡今回の一件にロシアが関与したかどうかは不明である。とはいえ、ロシアは国内外を問わず、批評家を毒殺してきた歴史があるので、その疑惑の目が向けられることは避けられそうにない。

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