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Iran executes man accused of spying for Mossad
 The Times of Israel, December 16, 2023

➡イランの司法当局は16日、イスラエルの情報機関に協力したとして死刑判決を受けた男性の刑を執行したと発表した。
➡刑を執行された男性の身元は明らかになっていないが、「敵対するイスラエルの利益のための情報協力とスパイ活動」で有罪の判決を受けたとしている。また、「公共秩序を乱す目的で、モサド(Mossad)のために機密情報を収集、提供した」罪にも問われていた。
➡イランは以前にも、イスラエルを含む外国のために働いているとされるスパイの逮捕を発表しており、国内でのモサドの活動を阻止したと頻繁に主張している。しかし、そうした主張の信憑性は不明である。
➡米国とイスラエルは、イランが無人機やミサイルを使って米軍やイスラエルと関係のある船舶などを攻撃し、ハマス(HAMAS)やヒズボラ(Hezbollah)を含むテロ集団を支援していると非難している。
➡イランは、イスラエルが自国の核開発プログラムを標的とした妨害攻撃や暗殺を繰り返していると非難している。
➡また、アムネスティ・インターナショナルなど、国際的な人権団体によれば、イランは中国を除く、どの国よりも多くの人びとを年間処刑している。ノルウェーに本部を置くイラン人権団体は11月の報告書で、イランは今年これまでに600人以上を処刑し、過去8年間で最高の数字を記録したと発表した。

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SR-91 Aurora: The Hypersonic Spy Plane That Never Flew?
 by Peter Suciu
 National Interest, December 14, 2023

➡インターネット上では現在、SR-91オーロラ偵察機について憶測が飛び交っている。冷戦時代、ロシアを偵察するためのプラットフォームとして良いアイディアだと思われたかもしれないが、この飛行機はそもそも飛んでいないかもしれない。
➡UFOやビッグふっとの存在に疑問を投げかけ、地球が平らであるかどうかを考察するテレビ番組やYouTubeの動画には事欠かない。だが、2021年7月、ドキュメンタリー番組「Found and Explained」シリーズが1990年代に開発されたと言われる三角形の極超音速偵察機、謎のSR-91「オーロラ」を紹介した。
➡それまでオーロラと一致する飛行機を見たという報告はいくつもあるが、それはノースロップB-2爆撃機「スピリット」だったのではないかと見られている。極秘のオーロラ・プロジェクトは1989年、初めて報告され、多くの目撃情報がある一方、専門家たちはその独特なノイズ・シグネチャーが「パルスデトネーション・エンジン」である可能性を示唆している。
➡また、米軍がSR-91オーロラのプロトタイプを実際に製造したのかどうかという点も疑問が残る。いくつかの目撃情報以外、それを示唆する証拠はほとんど存在していない。
➡1980年代、米国防総省の軍事計画担当者たちによって、マッハ5以上に達する極超音速スパイ機を開発するという構想が練られた。このプロジェクトの目的は、老朽化し、維持費のかかるSR-71ブラックバードの後継機を開発することだった。費用は年間2億ドルから3億ドルほどかかると見られていた。
➡技術的には、スペシャル・アクセス・プログラム(SAP)として知られ、一般には公開されない「ブラック・プログラム」である。そのため、SR-91についてほとんど公表されておらず、「オーロラ」という名称さえも、SR-71とU-2プログラムの状況について議論された1985年の予算要求のなかで、チェック漏れしたときに初めて公表された。1986年の国防総省の調達文書によると、プロジェクトの資金は1987会計年度に23億ドルに達したとされているが、実際にその使途に関してはほとんど不明である。
➡最近だと2006年5月、英国防省の報告書がマッハ4から6に達する超音速機を製造する米空軍の計画に言及した。その後、これはSR-91オーロラのことではないかとの憶測が広がっている。これが21年前の偵察機計画と同じである可能性は高いと思われるが、確かなことを知るには情報が少なすぎる。
➡過去に目撃情報があることから、オーロラ・プロジェクトは存在していたのかもしれない。しかし、仮に存在していたとしても、偵察機から無人航空機や偵察衛星に移行したため、計画打ち切りになった可能性が高いと考えられている。

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Belgian far right expels alleged China spy from party
 Politico EU, December 15, 2023

➡ベルギーの極右政党、フラームス・ベランフ(Vlaams Belang)は15日、元上院議員のフランク・クレイエルマン(Frank Creyelman)氏がヨーロッパをスパイするために中国にスカウトされたとの告発を受け、同氏を除名処分にした。
➡今回の件について、同党のトム・ファン・グリーケン(Tom Van Grieken)委員長はX(旧ツイッター)上において、「クレイエルマン氏の行動は、わが党の目的と方針に反し、党名にすら反するものである。ナショナリストにとって唯一の忠誠心は、自分たちの国家しかない」とコメントした。
➡クレイエルマン氏の問題は、欧州メディアで最近、報じられていることに端を発している。それは、中国のスパイ機関が3年にわたって、香港における民主化運動への弾圧や新疆ウイグル自治区でのウイグル人迫害などについて、ヨーロッパでの議論に影響を与えるために、クレイエルマン氏をどのように利用したかという詳細な報告を行なったことである。
➡その報道を受けて、ベルギーのアレクサンダー・ドゥ=クロー(Alexander De Croo)首相は、ブリュッセルで開催された欧州理事会首脳会議に出席した際、記者団からの質問に対して「非常に深刻に受け止めている」と述べた上で、「極右が我々の社会にとってかなり危険であることを示している」とコメントした。
➡クライエルマン氏の疑惑は、同氏が2019年から2022年にかけて中国のスパイ、ダニエル・ウー(Daniel Woo)と交わしたメッセージ記録が存在している。たとえば、2022年後半、ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相が中国への訪問を予定していたとき、ウーは米英両国がヨーロッパのエネルギー安全保障を損なっているという考えを広めるねらいから、欧州議会の2人の右派議員を説得するようにクライエルマン氏に依頼したことが明らかになっている。
➡その際、ウーはクライエルマン氏に「我々の目的は米欧関係を分断することだ」とメールに書いたという。
➡今回の疑惑について、クライエルマン氏自身はコメントを出していない。

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Section 702 Delivers Stronger U.S. National Security
 by Joseph L. Votel (former President and CEO of BENS)
 The Cipher Brief, December 12, 2023

➡2011年当時、米国が直面していたもっとも多発的で危険な脅威は、イエメンを拠点として活動する「アラビア半島のアルカイダ」だった。このグループは、リトルロックでの新兵訓練所銃撃事件、デトロイト上空でのノースウエスト航空253便爆破未遂事件、貨物機爆破事件など、複数のテロ攻撃に影響を及ぼした。
➡米国人と米国の利益に重大な危険をもたらしてきたので、米国にとってアラビア半島のアルカイダは大きく注目されてきた。実際、米国は情報機関やイエメンのパートナーと緊密に協力し、そのグループの計画と作戦を妨害するために必要な情報を生み出してきた。そのなかには、外国情報監視法(FISA)第702条によって認められた権限によって得られた重要な情報も含まれていた。
➡現在、イエメンで活動するフーシ派の反政府勢力によって、米国の軍艦やその他の国際的な船舶が狙われている。こうした攻撃は今、中東で展開されている恐ろしい出来事の一部に過ぎず、情報報告が長期的な安全保障にとって、いかに重要であるかを思い知らされる。過去に特殊作戦部隊の司令官を務めた経験から、またその後、中東、レバノン、中央アジア、南アジア全域における軍事作戦の司令官として経験から、複雑化する脅威を制圧する上で非対称的な優位性を持つために、いかに効果的な情報収集であるべきかが明確になった。
➡FISA第702条は、議会が再承認しない限り、2023年12月31日に失効する。この法律が国家安全保障にとって非常に重要であることを知っているだけに、再承認が確実ではないことに懸念を抱いている。
➡2023年の米議会での年次脅威公聴会で、アヴリル・ヘインズ(Avril Haines)国家情報長官が膨大な国家安全保障上のリスクについて証言したとき、FISA第702条の更新を促すことで締めくくったことは示唆に富んでいる。現在、外国の脅威レベルとその複雑さは、冷戦の最盛期依頼、米国の幸福と将来にとってもっとも深刻なものになっているといっても過言ではない。
➡FISA第702条にもとづいて作られた監視プログラムは、特定のテロリスト、ランサムウェアの犯罪者、外国のスパイ、敵対国の指導者などを標的とする機敏さと能力を備えている。そのため、まさにこうした極限の課題を理解し、それに対応するためイ必要なものである。
➡戦術的な諜報活動に加え、FISA第702条にもとづいて収集された情報は、中国から南米のフェンタニル研究所に輸送された前駆体化学物質を追跡するため、外国のランサムウェア攻撃について米国企業に密告するため、ウクライナにおけるロシアの残虐行為を暴露するため、そして中国がどのように米国のハイテク部門から情報を盗み、不当に競争しているかを理解するために用いられてきた。
➡この法令が機能しているのは、敵対勢力を含む世界だが、圧倒的な程度で米国の電話やインターネット・システムを通信に利用しているからである。
➡FISA第702条は、外国のスパイ対象が米国のプラットフォームを利用している場合、裁判所が承認した手続きのもと、情報機関がその電子メールやその他の通信にアクセスすることを認めている。他の法令では、このようなことは認められていないので、他の情報収集のやり方には限界がある(もちろん、それなりに重要ではあるけれども)。つまり、FISA第702条は、対外的な情報源としてかけがえのないものなのである。些細なことが証拠である。政府は最近、大統領日報に掲載される情報のほぼ60%を第702条から得ていると発表した。
➡FISA第702条が制定されて15年が経過し、それが米国にとってさまざまな脅威に対処する上で役立ってきたことは、ほとんど議員が認めるところである。だが、その法律の再承認は必ずしも確実ではない。これは議会が年内に、どれだけのことに取り組まなければならないかにかかっている。
➡論点は、一部の米国人の通信が、意図せず、しかし必然的に外国人の監視対象として捕捉されるおそれがあるという事実である。ほとんどの外国人のターゲットは、他の外国人としかコミュニケーションをとらないが、時折、米国人と接触している者もいる。その接触は、FISA第702条で認められた情報機関、すなわち国家安全保障局(NSA)、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、国家テロ対策センター(NCTC)が行なう情報収集には、まったく関係ののないことかもしれない。だが、たとえば中国のために働く外国のスパイが、脅迫目的で防衛請負会社の米国人従業員に電子メールを送ったとしたら、その電子メールは米国の防諜活動にとって興味深いものになりうる。米国人の電子メールを核にする政府能力の範囲は、広範な規制対象であり、現在もその議論が続いている。
➡元軍人の経験として、また、海外でのテロとの戦いを任された軍の上級司令官としての経験として、FISA第702条が提供するかけがえのないツールがなければ、米軍とその同盟国の努力は、はるかに困難なものになると思う。議会は、この基本的な権限を運用上の有効性を損なわないかたちで再承認しなければならない。これは、重要な権限をほぼそのまま維持し、過去の濫用や誤用の可能性に照らして、憲法上、および放置上の制約が必要な場合にのみ調整することを意味する。
➡米議会とバイデン政権が国家安全保障のために、この重要な法律を維持しながら、第702条の再承認の見通しによって提起されるプライバシーやその他の懸念に対処する方法を見つけてくれることを強く望んでいる。この法律がなければ、軍隊で敵対勢力を阻止し、国の安全を守る仕事ができなかったことは間違いないのだから。

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Russia's FSB says it cracks Ukrainian network planning assassinations in Crimea
 Reuters, December 11, 2023

➡ロシア連邦保安庁(FSB)は11日、親ロシア派の暗殺計画に関与していたクリミアにおけるウクライナのスパイ網を突き止めたと発表した。
➡標的となっていたのは、ロシア政府が任命した「クリミア共和国」のセルゲイ・アクショノフ(Sergei Aksyonov)首長や親ロシア派の元ウクライナ国会議員であるオレグ・ツァリョフ(Oleg Tsaryov)氏などである。
➡ツァリョフ氏は、2014年にロシアがウクライナから併合したクリミアで、10月の襲撃で2発、撃たれたにもかかわらず、一命を取り留めた。ウクライナ保安庁(SBU)の関係者は当時、ロイターに銃撃はSBUの作戦だったと語っている。
➡FSBによると、ウクライナのスパイ網は、クリミアの鉄道やエネルギーインフラも標的にしていたという。FSBは、武器や爆発物の隠し場所を発見し、18人のウクライナ特殊部隊の工作員と共犯者を拘束したと述べている。

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