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‘I am an agent, an agent for peace,’ says MEP accused of spying for Russia
 Politico EU, February 6, 2024

➡ラトビアの欧州議会議員、タチアナ・ジダノカ(Tatjana Ždanoka)氏は現在、ロシアの情報機関との共謀疑惑に直面している。ジダノカ氏は6日、欧州議会において一連の疑惑を否定し、自分は平和のためにのみ活動してきたと反論するスピーチを行なった。
➡ジダノカ氏の疑惑は、ロシア紙『インサイダー』の記事が発端である。その記事によると、ジダノカ氏はロシア連邦保安庁(FSB)の職員だったという。
➡この疑惑を受けてジダノカ氏は、「その通り、私は諜報員である。すなわち、平和のための諜報員、ファシズムのないヨーロッパの諜報員であり、マイノリティーの権利のための諜報員、リスボンからウラルまで統一されたヨーロッパの諜報員である」と欧州議会で演説した。さらに、「そして私は、今ここで国民の前で、代理人として成功しなかったことを謝罪したい」と付け加え、ロシアとEUの関係が悲惨な状態にあることを嘆いた。
➡演説に先立ち、マルガリティス・シナス(Margaritis Schinas)欧州委員会副委員長は、「われわれは……2022年2月以来、ロシアがウクライナに対する攻撃的な戦争で武器として使っている偽情報の波を目の当たりにしている。事実を歪曲し、誤った非ナチ化の物語を発表し、優先順位と関心を逸らすために戦争疲れを利用しようとしている」と語った上で、「私は、ロシア政府のゲームに乗るために、他に誰が、どのような状況で、何をしたのかを調査することが、この議会の義務だと考える」と述べ、ジダノカ氏の疑惑を「深く厄介なものだ」と評した。
➡『ポリティコ』が以前、報じたように、ラトビアにはジダノカ氏のほかに、ロシアの利益に与する欧州議会議員が何人かいると見られている。フランスの中道派議員であるナタリー・ロワゾー(Nathalie Loiseau)氏は、欧州議会における外国からの干渉を排除するために活動してきたことから、「私たちの民主主義にとって、ロシアの工作活動は大量破壊兵器であることを忘れてはならない」と呼びかけている。

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Dutch Intelligence Blames Chinese State for Cyber Espionage in the Netherlands
 BNN Bloomberg, February 6, 2024

➡オランダ軍情報保安局(MIVD)は、軍部のコンピューター・ネットワークをスパイするために、中国政府の支援によってマルウェアを使用しようとする動きが見られることを発表した。
➡MIVDによると、機密扱いになっていない研究開発に使用されていた自己完結型のコンピューターにおいて、「洗練された」中国製マルウェアが見つかったという。マルウェアによるネットワークへの被害はなかったとしている。
➡今回、見つかったマルウェアは、コンピューター・ネットワークのスパイを目的とし、米フォーティネット社のシステム脆弱性を突くものだった。オランダは2023年に発表した報告のなかで、国家安全保障に対する最大の脅威のひとつとして中国を挙げ、中国がオランダのハイテク企業や機関を標的にしていると非難していた。
➡オランダのカイサ・オロングレン(Kajsa Ollongren)国防相は、「今回のような中国によるスパイ活動を非難することは重要である。こうすることによって、この種のサイバースパイ活動に対する国際的な強度を高めることができる」と語っている。

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Chinese hacking operations have entered a far more dangerous phase, US warns
 by Patrick Tucker
 Defense One, February 1, 2024

➡米国の情報当局では、中国のサイバー活動が過去10年間のスパイ活動やデータ窃取にとどまらず、米国の重要インフラへの直接攻撃に向かっているという認識を共有している。
➡たとえば、ハッカー集団「ボルト・タイフーン(Volt Typhoon)」は、ネットワーク・ルーターやその他のインターネット接続機器にマルウェアを仕込み、それが起動すれば、水道、電力、鉄道などのサービスを混乱させ、広範囲に影響を及ぼすことができるという。それは米国人を負傷させたり、時には死に至らしめる可能性があるということである。
➡ロシア派、米国の政治運動やウクライナの発電所を標的にするなど、実害をもたらすサイバー攻撃を仕掛けることで有名だが、中国ははるかにリスク回避的だと見られている。むしろ中国は、知的財産や政府情報のサイバー窃取でよく知られている。だが、マイクロソフト社が2023年5月に明らかにした「ボルト・タイフーン」の脅威は、はるかに甚大である。実際、米国家安全保障局(NSA)の高官は、「中国はスパイ活動のためにそこにいるのではない。金銭的な利益のためでもない。他のセットや他のレーンにおける中国の侵入の特徴だ」と述べている。
➡中国は現在もなお、そのような活動を行なっているが、これは重要なインフラや軍事ネットワークに対して、軍事活動を支援する能力を混乱させたり、世界の別の地域で何かが盛り上がっているときに、国内の事件に集中せざるを得ないように仕向けたりするために、中国が選んだ時間や場所に影響を与えることができるように、事前に準備しているのである。それが実にユニークな点である。
➡米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ(Christopher Wray)長官は、1月31日に開かれた中国共産党に関する下院特別委員会において、「中国のハッカーが米国の重要なインフラ、浄水場、電力網、石油・天然ガスのパイプライン、輸送システムを標的にしているという事実について、世間の関心があまりにも低すぎる。今、中国のハッカーたちは、米国のインフラを狙い、大きな混乱を引き起こし、米国市民や地域社会に実害をもたらす準備をしている」と語り、その深刻さを強調した。
➡NSAのポール・ナカソネ(Paul Nakasone)長官は、グアムにおける米国の重要インフラが標的にされたとき、米軍の作戦に影響を与える可能性があるとし、その潜在的な影響について「重大だ」とした上で、「米国は、インド・太平洋地域の司令官が通信ともっとも殺傷力の高い兵器システムを活用できる能力で対応したいと思うような、一連のさまざまな選択肢を提供する必要がある」と述べた。
➡ナカソネ長官は、「ボルト・タイフーン」によって中国がリスクに対してより高い許容度を持つようになったことを示しているかどうかについて明らかにしなかったが、「米国は、ボルト・タイフーンのインフラをを奪うことはできるし、彼らの技術を奪うこともできる。だが、彼らは戻ってきて、新しいインフラを構築するだろう。我々が対処しようとしていることは、まさにそれである。あたらしい技術を見つけなければならない」と語った。
➡米国の安全保障当局では、中国はロシア以上に悪評や否定的な世論に弱いと考えられている。だから米国や他の国々は、「ボルト・タイフーン」のようなグループを育成することは容認できないリスクをもたらすと中国当局を説得できるかもしれない。ナカソネ長官は、「中国指導部がサイバーで民間人を危険にさらすことが国際社会で恥ずべきことであり、国際社会が恐怖を抱くことである。だから、我々はその判断基準を変え、意思決定者の視点を変えなければならない」という。
➡2023年に起きた中国のスパイ気球問題は、中国の軍事活動に関連する出来事が必ずしもトップリーダーの意思を表しているとは限らないことを示した。時には指揮官が野心的な作戦を実行し、それが世論に悪影響を及ぼした場合、上層部はその行動を止めさせるために介入することができる。「あの作戦を実行した人たちは、リスク計算を本当によく考えていたとは思えない。その決断を下した人びとは、洗練されたレベルで政策的な意味を考え抜いたわけではない」と見られる。

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Bulgaria: Anti-organised crime cop arrested for spying for Russia
 Sofia Globe, February 5, 2024

➡ブルガリアのジフコ・コツェフ(Zhivko Kotsev)内相は、ロシアのスパイ活動に協力していたとして、組織犯罪対策総局(Chief Directorate for Combating Organised Crime)の職員をスパイ容疑で逮捕したと発表した。
➡今回の逮捕は、国家安全保障局(State Agency for National Security)、組織犯罪対策総局、ソフィア市検察庁、内務省内部保安局の捜査によって進められ、逮捕に至るまで数か月間、監視を行なってきたという。
➡コツェフ内相は、「残念ながら、これは内務省の職員が監視され、チェックされていた案件である。ロシアという他国に有利なスパイ活動に関するものであることは確認したが、現段階ではこれ以上、コメントできない」と述べている。

外務省、中国のサイバー攻撃で大規模な機密漏洩 米側から通知

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外務省公電に中国がサイバー攻撃、大規模な情報漏えい…主要な政府機関のシステム点検
 読売新聞(2024年2月5日)

➡外交上の機密情報を含む公電をやりとりする外務省のシステムが中国のサイバー攻撃を受け、大規模な情報漏えいが起きていたことがわかった。米政府は2020年に日本政府に警告して対応を求め、日本側は主要な政府機関のシステムを点検し、対策の強化を急いでいる。複数の政府関係者が明らかにした。公文書の中でも、特に秘匿が求められる公電のシステムが破られるのは極めて異例だ。日本のサイバー防衛の安全性に、米国が強い懸念を持っていることが浮き彫りになった。
➡関係者によると、米政府は安倍政権当時の20年夏、「日本の在外公館のネットワークが中国に見られている」と日本側に伝えた。漏えいした情報の具体的な中身や、攻撃をどのように把握したのかは明らかにしなかったが、北京の日本大使館と外務省本省間などで交わされた公電が中国当局に幅広く読み取られていることを示唆した。
➡当時、米国家安全保障局(NSA)のポール・ナカソネ長官らが急きょ、来日して日本政府高官と会談したほか、日米の実務者が対応を協議した。その結果、外務省に加え、機密情報を扱う防衛省と警察庁、公安調査庁、内閣情報調査室がシステムを点検し、 脆弱性のあるプログラムを改善することで一致した。改善の状況は日米間で共有され、米側は点検・強化の継続を求めている。
➡公電には、日本の外交官が外国政府などから得た極秘の情報も含まれる。外部の傍受を防ぐため、通常のインターネットを介さない閉域ネットワーク「国際IPVPN」で送受信し、特殊な暗号が用いられている。



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